TWGT 11th GAME大会公式レポート

公式レポート TWGT 11th GAME 神谷桃歌が混戦を制して優勝 2024年2月9日グランディ浜名湖ゴルフクラブ Text：コヤマカズヒロ Photo：矢田部裕／有原裕晶第11回のＴＷＧＴ（THANKS WOMEN’S GOLF TOUR）は、３度めとなるグランディ浜名湖ゴルフクラブでの開催となった。一昨年の第５回大会では、シーサイドコース特有の強風に翻弄され、出場選手の平均スコアが「79・44」と大荒れになった舞台だ。その大会に出場した金田久美子選手が、その年11年ぶりのツアー優勝を果たしたのも記憶に新しい。　今年は、本来はパー５である４番を１７０Ｙのパー３に変更し、パー70で行われた。幸い天候にも恵まれ、この季節しては珍しく風もあまり吹かない絶好のゴルフ日和、観戦日和となった。しかし、グランディ浜名湖の高速グリーンと強い傾斜は、簡単にバーディの取れるコンディションではない。グリーンを狙うショットの精度とボールを止めるだけの高さとスピン量が必要になる。　今大会は、すでにプロテストに合格したＪＬＰＧＡ会員の選手も出場している。ＴＷＧＴ出場経験を糧にテスト合格を果たした、河村来未、新真菜弥の両選手に加え、佐久間綾女選手も妹の夏美選手とともに出場している。　この時期、合宿やスイング作りに充てるプロも多いが、やはり実戦で試してみないと完成度はわからないもの。万全の調子で戦える選手はなかなかいないだろうが、シーズンオフのこの時期に開催される試合のニーズは案外あるのかもしれない。　笹原優美選手は、「本格的なシーズンのスタート前に、オープン戦のような位置づけで試合が出来て良かったです」とコメントしてくれた。この試合で生まれた課題に、選手たちはシーズン開幕に向けて取り組んでいくことになるだろう。　一方、昨年のプロテスト最終予選まで進んだ都玲華選手、神谷桃歌選手をはじめ、６人のアマチュア選手がエントリーした。アマチュア選手の場合、サポート金額がプロよりも安価になるとはいえ、サポーター集めは必要だ。アマチュア規定が変わり、アマ選手でもスポンサー契約が可能になるなどする中で、ハイレベルな競技に出るアマチュア選手とプロとの境目は近づきつつある。今回の大会で最も大きな特色は、ＴＷＧＴで始めてショットガンスタートを採用したことだ。このレベルの競技ゴルフでショットガンが採用されたことも例がないのではないだろうか。　今大会では、選手たちが18ホール中、15ホールに散らばり、７時45分に一斉にスタートするというフルショットガン方式を採用。これまではスタートだけで２時間近い時間がかかっており、ブラインドのホールで詰まったりということも起きにくいので、試合終了までの時間を大幅に短縮することが出来る。お昼すぎには、多くの組がホールアウトし、13時半には表彰式をはじめることが出来た。　ＴＷＧＴの和田泰朗代表は、これからのミニツアーは選手にとっても、応援する人にも時間的な負担を短くしたいという意図があったという。笹原優美選手も「プレーしてみてとても良い仕組みだと感じました。こんなにスムーズに、短時間で試合を完結することが出来るんだなと。条件が揃うようなら、毎回ショットガンスタートにして欲しいくらい好印象でした」と話すように、選手からもとても好評だった。　サポーターにとっては、スタートのホールまで移動するのは場所によっては骨だったかもしれない。18ホール終了後はまたそこから帰らないといけない。しかし、平らでホール間の距離も短いグランディ浜名湖のレイアウトでは、大きな問題にはならなかったようだ。　一方、ショットガンスタートの場合、優勝争いの妙味というところではわかりにくい面があるかもしれない。　今大会でもリアルタイムで選手がスコア登録でき、成績を反映できるアプリ、「Golf Genius」が採用された。オンライン上のリーダーズボードにスコアが反映されるので、サポーターも観戦しながら試合の推移を追うことが出来る。　１番から18番まで順にプレーする通常の試合であれば、例えば、上がりの３ホールは難しいという情報があれば、いまトップにいる選手であっても、まだどうなるかわからないぞ、と展開を把握することが出来る。ショットガンの場合は、先に難しいホールを消化する選手とやさしいホールを消化する選手とで、試合途中のスコアを比較することにあまり意味がない。それぞれの選手が、今どのホールを残しているかを考えながらリーダーズボードを見る必要がある。　これはプレーをする選手も同様で、ゲーム全体の流れを把握するのも、ある程度の慣れが必要かもしれない。　いずれにせよ、ショットガンスタートの試みはまず成功したといってよいだろう。新しいスタイルとして、今後さらに洗練されていくはずだ。グランディ浜名湖ＧＣでポイントになるのが、ワンオンが狙える２３０Ｙのパー４である８番、そしてバーディが取りやすい９番と13番のパー５だろう。このあたりでしっかりとスコアを伸ばしておいて、ラウンドを優位に進めたいところだ。そういう意味ではこの辺りのホールがスタートだった選手はやや不運だったかもしれない。何ホールか回ってリズムを掴みながら、チャンスホールで気合を入れたいだろうからだ。　難しいのは、パー３になった池絡みの４番と本来は上がりホールとなる15番から18番までのホール。18番はパー５で出来れば伸ばしたいホールだが、池絡みの３打目はグリーンの傾斜もきつく、バーディを取るのは簡単ではない。18番でバーディを奪取したのは、飛ばし屋の都玲華選手と岡地里香選手という二人のアマチュア選手だけだった。試合は序盤から上位が頻繁に入れ替わる混戦で、その中で安定してスコアを伸ばしたのが田上妃奈子選手。アプローチが上手く、粘り強いゴルフで試合をリードした。　田上選手は、２番ホールからのスタート。４２５ヤードの長いパー４である３番でバーディを奪い、８番でもきっちりとバーディ。序盤で伸ばせたことで、リズムよく後半もアンダーパーで「68」のラウンド。単独２位でのフィニッシュとなった。優勝したのは、６番ホールからスタートしたアマチュアの神谷桃歌選手。スタートホールでボギーを打ったものの、取りたい８番、９番、13番できっちりとバーディを奪う理想的な展開。池越えでプレッシャーのかかる５番パー３が最終ホールだったが、入れれば優勝が決まる３ｍのバーディパットを見事に沈めた。　現在は高校３年生で、普段から親交がある佐久間綾女選手に誘われたことが出場のきっかけらしい。プロでの経験を長く持つ佐久間選手を姉のように慕っており、躊躇なく出場できたという。　昨年、初めてのプロテストを受けたが２打差で不合格となり、来年からは大学に進学する予定だ。テストの話を振ると「来年は受かりたい」と少し悔しそうな表情を浮かべたが、プロ選手に混じっての優勝は自信になったろう。ＴＷＧＴにとっても初のアマチュア優勝となった。　表彰式で、和田泰朗代表からは、この冬の時期に日の出からの１時間で18ホールのグリーンを仕上げたグランディ浜名湖のコース管理の方たちへの感謝が述べられた。常識外といって良いこのフルショットガンの試合形式は、開催コースの理解と協力無しでは到底考えられない。　次回の第12回大会は、初の２日間競技を予定している。２０２４年６月20日〜21日で、場所は裾野カンツリー倶楽部だ。今大会のショットガンスタートのように、ＴＷＧＴは、臆することなく新しいチャレンジを行っている。それを続けていく中で、より選手とサポーターのためになる大会に進化していくだろう。 1st 一時は1アンダーから3アンダーに10人近くが並ぶ大混戦を制したのは、自身の最終ホールとなった難関の5番ホールでバーディを奪ったアマチュアの神谷桃歌 2nd 粘り強いプレーでトーナメントを終始リードした田上妃奈子が2位 3rd TWGTでは安定して上位に入り、優勝候補の1人だった竹内美来は3位 T4 最少ボギー賞を獲得した横山ももは、堅実なプレーで70ストロークとして4位タイ T4 葛城ゴルフ倶楽部で研鑽を積む初出場の神谷美緒は、パープレーで4位タイ T4 前回大会で6位タイのアマチュア鈴木みなみは、今回も安定したプレーで4位タイ T6 3連続バーディで上位をうかがった植竹愛海は6位タイ T6 前半2アンダーまで伸ばした佐久間綾女今大会の注目度No.1と言えるアマチュアの都玲華。24位タイに終わったが、随所にポテンシャルの高さを見せてくれた 7時45分にショットガンスタートという時間的にもタイトで慣れないフォーマットにもかかわらず、今大会は6名のアマチュアを含む58名が参加して行われた最多バーディ賞は5つのバーディを奪った神谷桃歌と山本彩乃短いパー4の8番ホールに設定されたイーグル賞は橋口星空と山口璃千が獲得最少ボギー賞は2ボギーで神谷桃歌、田口妃奈子、内山愛梨、横山ももの4選手が獲得今回は表彰式後にコミュケーションタイムを設定。選手も時間的な余裕を持って行動できたコミュニケーションタイムの会場では同時に選手インタビューも行われた TWGT 11th GAME RESULT ホールバイホールの確認は右のURLからアクセスしてください https://x.gd/cWz12 TWGT 12th GAME 6月20,21日開催！ TWGT第12回大会が2024年6月20日（木）と21日（金）の2日間大会として開催されます。詳細は後日公式ホームページで公開予定です。 https://www.twgtour.com/

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